概要
環境省によると、花粉症は日本人の約4分の1にあたる約3,000万人が罹患していると推定されています。花粉症は日常生活に大きな影響を及ぼすとともに、社会的な損失を伴う疾患です。また、近年では、気密性の高い住宅の増加やペットの室内飼育の普及により、ハウスダスト由来のアレルギー症状(気管支喘息など)が増加しており、社会的な課題となっています。
当センターでは、花粉、ダニ、ペット由来アレルゲン等を対象に、低減および除去効果が期待される製品・装置の評価試験を実施しています。
試験方法は、ISO、JIS、JEM等の各種規格を参考とした分析手法に基づき、ELISA法や鏡検法を用いて定量的に評価します。製品の研究開発から最終的な性能検証(エビデンス取得)に至るまで、お客様の目的や要望に応じた試験プランをご提案いたします。
アレルゲンについて
花粉症の原因となる植物
国内では1960年代初頭から、ブタクサ花粉症、スギ花粉症、カモガヤ花粉症が報告されており、現在までに約60種類以上の花粉症が確認されています。
近年では、冬から春にかけてはスギ花粉症、夏にはイネ科花粉症、秋にはブタクサ花粉症が見られるなど、年間を通じて発症するケースが増えており、花粉症は「通年病」とも位置付けられています。

ハウスダスト
ハウスダストとは、室内に浮遊または堆積している微細な粒子の総称であり、健康やアレルギーに影響を及ぼすことがあるとされています。
その主な構成要素としては、ダニのフンや死がい、人やペットの毛やフケ、繊維くず、カビおよびその胞子などが挙げられます。


試験方法
電化製品を対象とした試験
空気清浄機やエアコンなどの家電製品、イオン発生器等を対象とする試験です。
試験チャンバー(6畳相当の空間)内にアレルゲン液を噴霧します。家電製品を作動させながら、一定時間ごとに試験チャンバー内の空気を回収し、空気中に含まれるアレルゲン量をELISA法で調べます。経時的に空気を採取することで経時的なアレルゲンの除去量と除去効果を評価します。

繊維製品を対象とした試験
衣類、タオル、マスク素材等の繊維製品を対象とした試験です。
繊維製品にアレルゲン液を滴下し、一定時間作用させた後、アレルゲン液を回収します。その後、ELISA法によりアレルゲン濃度を測定し、未加工品と加工品の濃度を比較することで、加工による低減効果を評価します。
本試験は、2022年に発行された標準試験法(ISO 4333:繊維製品上の花粉およびダニ由来タンパク質等の減少度測定方法)に準拠して実施します。

液剤を対象とした試験
抗アレルゲン剤(無機系化合物)、次亜塩素酸、界面活性剤などの液剤を対象とした試験です。
液剤にアレルゲン液を混合し、一定時間作用させた後、ELISA法によりアレルゲン濃度を測定します。初期濃度との比較により、液剤によるアレルゲンの低減率を評価します。

加工製品を対象とした試験
壁紙、機能性内装材や機能性塗料、光触媒塗料などで加工された平板状の試験品を対象とする試験です。
試験品上にアレルゲン液を滴下し、フィルムで覆い、一定時間作用させた後、試験品からアレルゲン液を回収します。その後、ELISA法によりアレルゲン濃度を測定し、未加工品と加工品の濃度を比較することで、加工による低減効果を評価します。
花粉の除去試験
洗濯機や掃除機の運転によって、付着した花粉がどの程度除去されるかを、花粉数の測定により評価する試験です。
以下の手順により、除去効果を評価します。
1. 試験布に花粉を付着させます。
2. 家電製品に試験布を設置し、運転を行って除去処理を実施します。
3. 処理後、家電製品から試験布を取り出し、付着している花粉を洗い出します。
4. 洗い出した花粉を色素で染色し、花粉数を計測します。
5. 処理前後の花粉数を比較し、除去率を算出することで除去性能を評価します。

当記事に関するご質問やご依頼などがございましたら、お問い合わせページよりお気軽にご相談ください。

