JIS Z 2811:2021 繰り返し除菌性試験方法について
概要
この規格は、環境衛生上特に配慮が必要な環境で使用される「繰り返し除菌」加工した製品表面における細菌に対する繰り返し除菌効果を評価する試験方法です。例えば、JIS Z 2801で効果のあった製品について、複数回菌で汚染した際にも効果があるかを評価することができます。
この試験方法は、固体表面の性能を評価する方法であり、液体製品 (塗料、スプレー) 自体は評価対象になりませんが、液体製品を用いて加工処理した固体表面は、この規格の対象となります。なお、繊維製品やスポンジなどの軟質表面は対象外となります。
試験菌
Staphylococcus aureus NBRC 12732 (=ATCC 6538P)
Escherichia coli NBRC 3972 (=ATCC 8739)
負荷物質
1/500濃度の普通ブイヨン培地
試験片と1菌種あたりの必要枚数
無加工試験片6枚
加工試験片 (未汚染、初期減少値測定用) 3枚
加工試験片 (汚染処理2回、繰り返し減少値測定用) 3枚
各試験片は約50 mm角、厚さ約10 mm以内が標準の大きさです。
試験方法
- 1)
- 製品から加工試験片を作製して、これを試験片Ar0とします。Ar0は6枚用意します。
- 2)
- Ar0の3枚について試験菌液を接種して、40 mm角のフィルムを被せます。これを35 ± 1℃、相対湿度90%以上で24時間培養します。
- 3)
- 24時間培養後、試験菌液を除去します。この試験片をAr24とします。
- 4)
- Ar24の試験片について2) ~3) と同様の操作を行います。この試験片をAr48とします。
- 5)
- 無加工試験片3枚に試験菌液を接種後、直ちに試験片を回収して試験菌を洗い出し、生菌数を測定します。これを接種直後とします。
- 6)
- 無加工試験片と加工試験片 (Ar0、Ar48) 各3枚に試験菌液を接種して、30 mm角のフィルムを被せます。これを35 ± 1℃、相対湿度90%以上で4時間培養します。
- 7)
- 所定時間培養後、各試験片を回収して試験菌を洗い出し、生菌数を測定します。この測定結果から初期減少値と繰り返し減少値を算出します。
- 8)
- 初期減少値と繰り返し減少値が2.0以上で効果ありと判定します。
当センターでは、規格に定められていない菌種でも試験可能です。また、規格外の製品であったとしても、その製品に合わせた試験方法をご提案することも可能です。ご検討の方は、是非当センターにお問合せください。
【お問い合わせ先】 一般財団法人 北里環境科学センター バイオ技術課 TEL:042-778-9208 FAX:042-778-4551 E-mail:info@kitasato-e.or.jp |